4年ぶり最下位に終わったオリックス。1度も3位以内に浮上せず、投打とも課題が浮き彫りになったシーズンだった。チーム防御率、打率、総得点、総失点、本塁打数がリーグワースト。まず投手陣で言えば春先から先発の不振が大きかった。特に金子と西の2枚看板がそろって勝てず。これが開幕から3勝10敗というスタートダッシュの失敗につながった。

 開幕投手を務めた金子は初登板から5戦未勝利。これは08年に先発定着して以降で初めてだった。また西も6月下旬まで2勝8敗と期待を裏切った。この2人が先発した4月9、10日のソフトバンク2連戦が象徴的。1-13、0-10という大敗で、チームの戦意喪失すら感じ取れた。

 また昨年に初の2桁10勝をマークした東明も3月の1勝のみ。開幕2戦目の先発に抜てきされたルーキー近藤大は、右肩痛でその後のシーズンを棒に振った。さらにコーディエは乱調続きで守護神の座を早々と剥奪される始末だった。

 打撃面では中軸と期待されたボグセビック、モレルの2人が誤算だった。オープン戦ではともに打率3割をマーク。トンネルから抜け出すことはなく、得点力は著しく低下した。

 収穫と言えば、若手の台頭。ドラフト1位ルーキー吉田正は4月下旬に腰痛で離脱したが、8月の復帰後は10本塁打を放った。高卒3年目捕手の若月は、伊藤を上回るチーム最多74試合でスタメンマスク。3年目の吉田一も中継ぎに本格転向1年目で、勝ちパターンの一員となった。

 オフに糸井が阪神にFA移籍し、来季の主な新戦力は外国人と新人。特に助っ人の活躍度合いがチームの浮沈に大きく影響しそうだ。今季に実戦経験を積んだ若手が成長し、既存の選手とうまく融合すれば、巻き返しは可能だ。【オリックス担当=大池和幸】