中日がキューバの若手有望株、レオナルド・ウルヘジェス外野手(23=イスラ・デ・ラ・フベントゥド)を獲得することが5日、分かった。育成契約を結び、今日6日にも発表される。3月のWBC代表候補からは漏れたが、昨秋までのキューバ国内リーグで、主要3部門で10傑入りした右の強打者だ。高い守備力も備え、「キューバの鈴木誠也」とも言える男の加入に期待が高まる。

 神ってる男がカリブ海から中日にやってくる。ウルヘジェスは18歳から国内リーグでプレー。野球大国でも屈指の有望株と注目されてきた。育成からのスタートになるが、1歳下で今季大ブレークした広島鈴木誠也のように、急激に頭角を現す可能性を秘めている。開幕前の支配下契約すら期待させる逸材だ。

 昨秋の球宴では犠飛と豪快な決勝ソロで全打点を挙げてMVP。スターダムにのし上がった。昨秋までの国内リーグでも全45試合に出場して全部門でキャリアハイをマーク。打点はトップとわずか2差の38。打率3割7分2厘、6本塁打はともに10位だった。キューバ選手特有の懐の深い構えから、大きなフォロースルーで打球を運ぶセンスが最大の魅力。右翼で11補殺を記録した守備力も光る。

 獲得は同国に絶対的な人脈を持つオマール・リナレス巡回コーチの推薦だった。10月には森監督直々に現地で練習を視察した。中日が、亡命していないキューバ選手を獲得するのは02年から3年間在籍した、そのリナレス以来。ただ当時は、リナレスの長年の功績に加え、中日とキューバ政府の良好な関係もあって実現した特例だった。

 ウルヘジェスは今日6日にも獲得が発表される。さらにキューバからもう1人、WBC代表候補の投手とも育成契約する予定だ。獲得予定の新外国人を含めた支配下選手は67人だが、まだ3枠空いている。同じ右の大砲タイプのビシエド、ゲレーロが看板になる今季の中日打線。だが、将来性たっぷりの「3人目の男」は先輩助っ人2人をも脅かすかもしれない。

 ◆レオナルド・ウルヘジェス 1993年、キューバ生まれ。18歳だった11年にイスラ・デラ・フベントゥドでデビューし、14年から出場機会を増やす。昨年10月に終了した国内リーグは全45試合に出場。145打数54安打で打率3割7分2厘、6本塁打、38打点。その後行われた球宴では2打点でMVPに輝いた。181センチ、88キロ。右投げ右打ち。

 ◆今季の中日外国人 支配下6人、育成2人の態勢になる。野手は2年目のビシエドに加え、アレックス・ゲレーロ内野手(30=元ドジャース)を獲得。両大砲が打線の軸になる。投手は先発のバルデスとジョーダンが残留。抑え候補として身長2メートル左腕エルビス・アラウホ投手(25=マーリンズ)と、先発・中継ぎ両面できるルヘ・ロンドン投手(28=ホワイトソックス傘下)も獲得する。