西武牧田が世界の強豪をハイテンポ投球で翻弄(ほんろう)する。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンに選出され、10日に西武第2球場で大会公式球を使って自主トレした牧田は、国際舞台でこそハイテンポ投球の本領を発揮できると力説した。

 「WBCでは投手がテンポを上げた時、それを嫌って打者が外してきても、審判がプレーを止めないんですよね」。ブルペンから見守った13年大会のプエルトリコ戦で、井端が間合いを嫌って打席を外しても、投球がストライクと認められた場面が目に焼きついている。そこにチャンスがある。

 投球テンポ国内、いや世界最速の牧田。日本のプロ野球では打者の要求で、モーションに入った後でも球審から投球を止められることがあった。それが世界の舞台ではなくなると踏んでいる。牧田は「あれは使える」と目を光らせた。

 何の気兼ねもなくテンポを上げられれば、自分本来の投球リズムが保てるだけでなく、これまで以上に打者の構え遅れを誘うことができる。WBCのマウンドは、サブマリンの「自分の土俵」になる。【塩畑大輔】