ドラフト4位で西武に入団した静岡高の鈴木将平外野手(18)のプロ1年目が幕を開けた。すでに埼玉・所沢の選手寮に入り、9日から始まった新人合同自主トレで汗を流している。将来の「チームの顔」、さらに「静岡の顔」を目指す若きスピードスターに、プロとしての意気込みと、静高での思い出を聞いた。【聞き手・鈴木正章】

 -いよいよプロ1年目がスタート

 鈴木 目標は年内1軍。スタートダッシュが大事だと思うので、しっかり準備していきたいです。まずは2軍で多くを吸収したい。

 -体重増など、パワーアップを図る

 鈴木 自分の長所は走力。体重は変えず、動きやすい体をつくるべきだと。

 -将来的な目標は

 鈴木 数字としては「打率3割と35盗塁」。ホームランまで欲張るタイプではないので。長打も単打も打てるバッターであり続けることが、一番大きいかなと。

 -昨年12月の入団発表で辻発彦監督(58)が「僕好みの選手」と評した

 鈴木 それを聞いて本当に素直にうれしいし、期待に応えないといけない。辻監督といえば小技や走塁など、抜け目のないことが好きだと思うので、早くその色に染まれるように努力していきたい。

 -センターには秋山翔吾(28)という高い壁が

 鈴木 自分も秋山さんのような、3拍子そろって全部がオールマイティーにできる選手を目指しています。打率を残す人には、それなりの理論が必ずある。自分の感性というか、感覚とも合わせながら、いろいろなことを聞ければいい。でも、いずれは勝負すべきというか、競い合う選手にならないといけない。

 -U18日本代表で一緒だった今井達也(18=作新学院)とチームメートに

 鈴木 頼りにしているし、助け合っています。将来また一緒に、代表のユニホームを着たいとも思っています。

 -高校野球で一番の思い出は

 鈴木 大会としては2年春のセンバツ。そこをきっかけに自信がついて、プロというのものが明確に見えてきたところがあったので。精神的な面では2年の秋から冬にかけて。秋は悔しい結果(県大会準々決勝で掛川西に敗退)に終わり、ゲームキャプテンという立場的にもなかなかうまくいかず悩んだ時期。そこで考え方も変わり、自分で言うのも変ですけど、大人っぽくというか、いろいろ考えられるようになりました。

 -後輩たちが今春のセンバツ出場を確実に

 鈴木 リーダー格の選手がたくさんいる。責任感があり、1人1人がしっかり立っていて(小柳廉)主将1人に頼っていないところが、彼らの本当の長所。これからの武器になっていくだろうし、そういう面が出たら甲子園でも勝っていける。ほんとにスゴイと思いますよ。自分たちがやろうとしていて出来なかったことを実現している代だと思います。まぁ、いい教訓を与えられたのかな(笑い)。

 -最後に静岡のファンに向けて

 鈴木 いずれは「チームの顔」になりたいですし、そうなるということは「静岡の顔」にもなれれば。未熟な面もあると思いますが、温かい目で応援していただければうれしいです。まずは1日も早く、球場に足を運んでもらえるような活躍ができればと思います。

 ◆鈴木将平(すずき・しょうへい)1998年(平10)5月20日、富士市生まれ。幼稚園年長から今泉少年野球スポーツ少年団で野球を始める。吉原二中では静岡蒲原シニアに所属し3年春に全国8強。静岡では1年夏から3季連続で甲子園出場。3年夏は県大会4回戦で浜松商に敗退。高校通算21本塁打。175センチ、75キロ。左投げ左打ち。