「番長流」成り上がりの野球人生だ。プロ野球12球団の新人研修会が11日、都内のホテルで行われ、昨季限りで引退した前DeNAの三浦大輔氏(43)が「先輩プロ野球選手からプロ野球の後輩へ」と題した講演を行った。高田商(奈良)からドラフト6位で入団し、プロ25年間で通算172勝を挙げた経験を伝え、新人選手たちは、ドラフト下位入団者を中心に大きな勇気を受け取っていた。

 パリッと固めたトレードマークのリーゼントヘアで、三浦氏は人生初の講演に立った。酸いも甘いも味わったプロ生活25年。「5年後は、この中の半分いないかもしれない。厳しいけどやりがいのある世界。今の気持ちを忘れないでほしい。苦しくなった時、入団した時の気持ちを思い出せば頑張れる」と呼び掛けた。

 大きな希望を胸に、プロの門をたたく“1年生”。三浦氏は高校時代、甲子園出場経験はなく、ドラフト6位でプロ入り。無名の存在からエースに駆け上がった。練習方法、技術、喜び、失敗…。25年間の経験を惜しみなく伝えた。

 (1)目立て!

 「色、個性、武器を持つことが大事」。リーゼントヘアは、1年目の途中から継続。「誰もプロ野球界にいなかったから。ドラフト6位で入団して、注目してもらいたかった。このスタイルでもピッチングは丁寧に。結果を残せば認めてもらえる」

 (2)欲を持て!

 自身を「欲の塊だった」と分析。年俸を上げて高級時計、高級車を買うと目標を立てた。プロとして、いい意味での「欲」。「1000万円稼いだらコルベットが欲しかった。年俸はプロは2倍、3倍、うまくいけば10倍になる」。

 (3)練習あるのみ!

 「練習を好きになったことは1度もない。嫌いだけど、試合で打たれることはもっと嫌い。結果を残すためには練習しかない」

 なぜ25年間現役を続けられたかと問われれば「1年1年の積み重ね」と答え続ける。真摯(しんし)に野球に向き合い、結果を積み上げてきた。

 講演の最後は、自ら選手を選んで質問を受けた。ドラフト上位選手を続け、ラスト6人目は自身と同じドラフト6位で入団したDeNA尾仲祐哉投手(広島経大)を指名。「入ったら順位は関係ない。横一線のスタート」と熱いエールで締めくくった。【前田祐輔】