40歳目前でも炎に負けない! 広島新井貴浩内野手(39)が11日、鹿児島市の最福寺で13年連続となる護摩行(ごまぎょう)に臨んだ。約2000本の護摩木によって燃えさかる炎の前で、最後まで大きな声で不動明王御真言を唱え続けた。後輩たちに勝る力強さに、池口大僧正からは50歳現役!? のお墨付きまでもらった。40歳で迎える今季も、アライさんは元気だ。

 燃えさかる炎の前でも、新井は惑わなかった。後輩3選手と臨んだ護摩行。最年少の堂林とはひと回り以上離れている。それでも、誰よりも大きな声で不動明王御真言を唱え続け、炎に立ち向かった。13年連続となった苦行に、新しいシーズンの始まりを感じた。

 「われながらこの苦しい行をよく続けているなと思う。継続していくことの重要性は昨年感じた。何事もコツコツやっていく重要性を教えられている。(護摩行は)1年の始まりというか、1年間戦う上でこれをやらないと始まらない。それだけ大切な場所であり、大切な行」

 昨季25年ぶりのリーグ優勝を果たし、個人でも2000安打を記録。リーグMVPも受賞した。「優勝もMVPも過去のこと。新しい年だし、今年は今年。過去は過去。護摩行をやるとグッと気持ちが入る」。今月30日で40歳となるベテランは何も変わらない。

 昨年の護摩行時の姿に活躍を予感した高野山別格本山清浄心院・池口大僧正は、今年の活躍にも太鼓判を押す。「ずっと向上している。今年以上にできると思いますよ」と大絶賛。さらに「年齢は関係ない。50歳まではいける。50歳は軽いですよ」とあと10年の現役にもお墨付きを与えた。

 この日は初の護摩行に気を失いかけていた堂林をリードするように隣で声を張り上げた。堂林は「新井さんが大きな声を出されていたので、ついていこうと必死だった」と感謝した。護摩行は明日13日まで続く。新井は「気持ちがグッと引き締まってくる。キャンプに向けて頑張っていきたい」と胸を張った。今年もアライさんは健在だ。【前原淳】