侍ジャパンの攻撃陣が固まった。3月に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)代表として、中日平田良介外野手(28)巨人小林誠司捕手(27)の選出が有力であることが12日、分かった。平田は強力な右打者のオプション、小林の強肩も貴重な武器になる。投手陣の陣容が流動的な中、攻撃力を前面に押し出したスタイルで世界一奪還に挑む。

 超がつく攻撃的布陣で、世界の猛者を打ち砕く。昨年12月に発表した捕手・野手の1次メンバーは12人。中田、筒香の長距離砲に、青木、内川、坂本の首位打者ホルダー。トリプルスリーの山田に、最多安打の秋山、規格外の大谷…。積極性を兼ね備えた強打者タイプが重点的に選出された。残り3枠も、攻撃に比重を置くチーム方針に従う可能性が極めて高い。ファウル打ちの達人・中島は、球数制限のある国際試合では有効な攻め駒として選出濃厚。最後の2枠は、平田と小林が有力とみられる。

 平田は、小久保監督が就任時から厚い信頼を置く選手だ。15年プレミア12では、主に右翼のレギュラーとして打率4割2分3厘、6打点。逆方向にも長打を打てるだけでなく、追い込まれたら一転、軽打に切り替えて一、二塁間を破るしたたかさを兼ね備えている。

 勝負強さも大きな特長で、昨季の打率2割4分8厘に対し、得点圏打率は3割5分3厘に跳ね上がる。正右翼手の候補としては、1次発表メンバーの鈴木がいる。伸び盛りの長打力は大きな魅力だが、国際試合の経験値が足りない。同じ右打者の平田は守備、走塁力も非常に高く、代打の切り札に収まらない働きが見込める。

 小林は、正捕手候補の筆頭である大野、チームの支柱を担う嶋に次ぐ、第3捕手として加わりそうだ。全体のバランスを考慮すると、セ・リーグで昨季、規定打席に到達した捕手は小林しかいない。同年代の若い投手が多く、強肩はもちろん、同年代の橋渡し役としての役割も期待される。

 今月下旬に全28選手を発表する方針のもと、最終調整を行う。メンバー変更に多少の余地は残すも「打って勝つ」の大きな幹が定まった。