阪神岡崎太一捕手(33)が遅咲きの正捕手奪取を目指す。13日は大阪・富田林市内の福祉施設を訪問し、入所者と交流した。昨季は開幕スタメンに抜てきされたが、7月に左手有鉤(ゆうこう)骨を骨折し、38試合出場にとどまった。それだけに「不注意ではないけど、結果として、他の捕手にチャンスを与えてしまったし、悔しい。ベテランではなくて、一番、元気を出して一番、動けるように。全力でやりたい」と言い切った。

 手本になるのが、矢野燿大作戦兼バッテリーコーチ(48)の歩みだ。現役時は30代になってから出場数が増え、優勝に導いた03年は35歳になるシーズンだった。今年6月に34歳になる岡崎も「矢野さんには、結構(年齢的なことも)言っていただいて、それがモチベーションになって感謝している」と話す。捕手は経験がモノを言う。しかも、矢野コーチは守備力を最優先して正捕手を選ぶ方針を打ち出している。プロ13年目は捕手陣最年長で迎える。原口、梅野、坂本らライバルはひしめくが「去年のことは終わった。ケガをして、また、ゼロからアピールしてやっていきたい。全部、フル出場するつもりです。出ていなくてベンチで見ているのは辛い」と気を引き締めた。