ソフトバンクは20日、今季が3年契約最終年だった工藤公康監督(53)と新たに今季から3年契約を結んだと発表した。年俸は現状維持の1億円(金額は推定)。球団は15年日本一、昨年は2位ながらもシーズン83勝の実績と選手育成を評価し、19年まで契約を更新した。

 今回の契約延長について、ソフトバンクの三笠球団統括本部副本部長は「王会長、後藤社長を含め、評価の高い指導者であるということ。中、長期的にチームの強化にあたっていただきたい」と説明した。発表はこの日になったが、昨季終了後から球団は新たな3年契約を打診していた。年明けに合意したため、監督、コーチが今年初めて集まるこの日に公表する形となった。時間的な余裕を与えることで、工藤監督の育成力がさらに発揮され、チームの若返りがスムーズにできると判断した。

 契約最終シーズンを待たずに延長することは、ほかに有力な後任監督候補がいないことも意味する。昨季終盤は工藤監督本人も認めるように、首脳陣と選手との考えが合わないこともあった。工藤監督に長期政権を任せるという発表をキャンプ前に行うことは、球団がメッセージを送っているとも言える。工藤監督を中心に1つにまとまった組織を目指す、と。【ソフトバンク担当キャップ・石橋隆雄】