空前絶後のポジション争奪戦! 阪神金本知憲監督(48)が23日、内野のレギュラー白紙を宣言し、競争激化の構図を仕掛けた。合同コーチ会議を開き、春季キャンプの1、2軍メンバー振り分けが決定。内野手は新戦力エリック・キャンベル内野手(29=メッツ)やドラフト1位大山悠輔内野手(22=白鴎大)ら9選手。ここに板山、中谷も加え、4ポジション全部が競争と選手のハートを刺激した。

 2年目を迎える金本阪神は、バトルロイヤルの様相を呈してきた。合同コーチ会議を終え、春季キャンプの1軍メンバーが発表された。大戦争の雰囲気を漂わせたのが、内野手だ。4つの椅子に、まだ誰も確約されていない。特に一塁は誰が守るのか不透明。この状況を問われ、金本監督ははっきりと言った。

 「それ(一塁)も大きな競争。内野は全部、競争ですね。レギュラーは糸井と(福留)孝介だけなので。後はアピールして、結果を残して、奪い合いですよ」

 口ぶりは穏やかだが、中身は激しい。ポジションを奪い合え-、と選手の競争心をこれ以上なく、刺激した。新戦力のキャンベルやドラフト1位の大山は三塁が主戦場ながら、打力を発揮できなければ定位置はおぼつかない。遊撃は注目の鳥谷と北條の争いに、プロ3年目で初1軍キャンプの植田を投入。内野手登録9人に、外野からも中谷、板山が加わる。2軍の安芸に大和や新井らが控えるが、まずは11人で4席を奪い合う構図。ここまでレギュラーの顔ぶれが不確定なキャンプインも珍しい。

 「セカンドがダブったり、サードがダブるかもしれない。途中でセカンドが決まってくるかもしれない。やってみないと、見てみないと、未知数なので。まだできたチームじゃない」

 スローガンは「挑む」に変わったが、「超変革」路線は昨季から続く。発展途上のチームだけに、混沌(こんとん)とした競争社会が生まれる。2月7日からの第2クール以降に、紅白戦や練習試合など実戦をちりばめた。「アピール材料がないとね。こちらの目に留まらないと、使う気にならない」。特に若手は鍛えながら、結果や内容を重視する方針だ。「誰を使おうかな、みんな使いたいというぐらい、ハイレベルになってほしい」と指揮官は望んだ。レギュラーが固まらなければ、開幕に不安は募る。激しい競争が実れば、チーム力は確実にアップする。内野大戦争の結末はいかに? 2月1日にゴングが鳴る。【田口真一郎】