“3年目の正直”だ。ソフトバンク松坂大輔投手(36)が28日、福岡・筑後市のファーム施設で自主トレを公開した。約10キロ減ともいわれるスリムになった体で、最長50メートルのキャッチボール。変化球も交えながらビュンビュン腕を振った。昨年までの突っ張った立ち投げではなく、左足に体重が乗り、右手は左腰に巻き付くほどしなやか。変わった点が、体つきだけでないのは明白。誰よりも、昨年と現在の映像を見比べた松坂が手応えを感じている。

 「明らかに違いが出ていた。左手の使い方ですね。感覚ですけど左手が思った通りに動くと、ほかの部分もスムーズに動くようになった」

 昨年12月にプエルトリコでのウインターリーグに参加。年末年始も長期のオフをとることなく、すでに米国で2度ブルペン入り。15年8月に手術を受け、米球界から復帰後2年間の1軍登板は1試合のみに終わっており、「とにかく1軍のマウンドで投げたい」との思いで、怪物復活への道を歩んできた。昨年までは髪を洗う時など普段の生活でも肩のひっかかりを感じていたが、もう不安はない。キャンプはB組スタートだが、すぐにでも打撃投手や実戦形式で投げられることも首脳陣に伝えている。

 午前中にはヤフオクドームで契約更改を行った。3年契約3年目、現状維持の年俸4億円(金額は推定)でサイン。「(球団へは)いつも謝っています。最後だからではなく、2年間何もできていないので恩返ししかないです」。日本復帰後、最高に明るい表情で決意を口にした。【石橋隆雄】

<松坂過去2シーズン>

 ◆15年 オープン戦は3試合に投げたが、4月2日に右肩筋疲労のため無期限ノースロー調整へ。5月20日にはウエスタン・リーグ、オリックス戦で64日ぶりに実戦登板。ただ、その後8月に右肩の手術を受けるなど、15年は2軍戦1試合登板に終わった。

 ◆16年 2月1日に捕手を座らせて50球のブルペン投球を披露。3月3日には韓国・斗山との練習試合で実戦復帰したが、その後、右手の違和感、腰や臀部(でんぶ)の張りなどシーズン中も苦しんだ。10月2日の楽天戦で、10年ぶりとなる日本球界1軍公式戦に登板。8回から1イニングを投げ、3安打4四死球で5失点。その試合はチームのシーズン最終戦だった。