プロ野球のキャンプ9日目! 担当記者が選んだ「今日の一番」を紹介します。


日本ハム中島コーギーより速い快速披露

 日本ハム中島卓也内野手(26)がNO・1の快走を見せた。9日、沖縄・国頭キャンプ第2クール最終日、室内練習場で行われた30メートル、20メートル、10メートルを往復するシャトルランで、最速の20秒41をマークした。飼い犬のコーギーよりも足が速いと自負する大累進内野手(26)と同走し競り合ったが、上回った。走り終えた後には息を切らしながら「20秒の壁は厚かった~」と、目指した19秒台に届かず、悔しがっていた。

 ちなみに投手陣に限れば、増井浩俊投手(32)が21秒13でトップだった。【日本ハム担当 保坂果那】

シャトルランで快走する日本ハム中島(撮影・保坂果那)
シャトルランで快走する日本ハム中島(撮影・保坂果那)

広島一岡、超速1・09秒クイック

 ストップウオッチは1・09秒で止まっていた。午前中のブルペンで、一岡竜司投手(26)のクイックが光った。

 投手が動きだしてから捕手のミットに収まるまでの時間がクイックのタイム。カープのチームの設定タイムが1・30秒を切ることで、1・25秒で投じれば速いとされる。一般的に1・20秒を切ると、二盗を決めるのは至難の業となる。

 一岡のクイックはアベレージでも1・14秒だった。チームでは守護神中崎に次ぐスピードだ。作戦面で使う「スーパークイック」を別にすれば、一岡のクイックは球威も落ちず、制球もぶれない。セットアッパーを目指す男とって大きな武器になっている。「イチのクイックは安定している。素晴らしい」と畝投手コーチも口にする。

 もちろん簡単に習得したわけではない。「初めてプロでクイックをした時は1・7秒台でした。そんなのクイックじゃないと怒られて…。6年間で頑張りましたね」と柔らかい表情で明かした。さらに「課題はあるんですけど、速いに越したことはないですからね」と優しく続けた。

 「今年の一岡はいい」といたるところで聞く。視察した松田オーナーも目を細めていた。一岡自身も慎重ながら手応えを語る。「キャッチボールからいい感覚で投げられている。左膝に体重が乗っている感じ。指のかかりはいいです」。力感のないフォームから高めに伸びる直球で勝負出来る。「140キロ台中盤でも差し込める直球を目指しています」。一岡の最大の長所が生かされている。

 中継ぎ陣は守護神中崎、セットアッパーのジャクソン、今村は盤石。一岡は実戦でも結果を残し、方程式に食い込んでいく覚悟だ。柔らかな表情の奥に、手応えと覚悟が透けて見えた。【広島担当=池本泰尚】

ブルペンで投球練習を行う一岡(撮影・清水貴仁)
ブルペンで投球練習を行う一岡(撮影・清水貴仁)

オリックスT岡田バースデー最大級祝福

 オリックス宮崎春季キャンプの9日、一番祝福されたのはT-岡田外野手だった。この日は29歳の誕生日。ボール型の特製ケーキが贈呈された。プレゼントで欲しいものを聞かれて「優勝ですね」ときっぱり。

 新選手会長として迎えたキャンプについては「チームの雰囲気も良くて、ここまで順調に来ている。自分は打たないといけない立場。このキャンプは打撃メインでやってます」と充実の日々を過ごしているようだ。【オリックス担当 大池和幸】

バースデーケーキを手にするオリックスT-岡田(撮影・渦原淳)
バースデーケーキを手にするオリックスT-岡田(撮影・渦原淳)

阪神中谷が第2クールMVP、監督称賛

 阪神中谷将大外野手(24)が、金本監督から沖縄・宜野座キャンプの第2クールMVPに選ばれた。

 8日の紅白戦には左翼スタンドに特大のソロ本塁打を放つなど、2安打の活躍。高卒7年目でブレークの予感が漂う中谷に指揮官も「1年前とは別人のスイングをしている。自覚がある。今、チームでもトップクラス」と称賛した。【阪神担当 梶本長之】


中日遠藤、外野転向いける!大島レベル

 中日遠藤一星内野手(27)が今季から本格的に取り組む外野守備でセンスを見せつけた。入団直後に試した際も打球勘の良さを示していたが、2年間は遊撃が主戦場だった。昨秋キャンプ中に外野に正式コンバートされていた。

 この日は荒天のため初めて屋内練習場で全体メニューを消化。長嶋外野守備走塁コーチが一定の距離を定めて、外野陣の背走タイムを計測した。真後ろの飛球を追いかけるように、進行方向と逆に首を向けながら走るもの。遠藤は右向き、左向きともトップクラス。球界屈指の守備範囲を誇る大島にひけを取らないレベルといい、同コーチは「速いよ。素晴らしい」と称賛した。遠藤は「プレー機会を重ねていきたい。(大島)洋平さんという最高のお手本がいるので、追いかけたいです」と意欲的だった。【中日担当 柏原誠】


ロッテ井上、高浜コントもやります

 ロッテは9日、石垣島キャンプ第2クールが終了した。

 この日一番の即興コントを披露したのは、井上晴哉内野手(27)と高浜卓也内野手(27)だ。

 室内練習場で個人練習を終え、宿舎に帰ろうとした時のこと。入り口付近のインタビューボードの前で、高浜がおもむろにバットを井上の顔の前に突き出した。井上も立ち止まり、芝居がかった口調で話し出した。

 「井上と言えばね、守備は一塁と思われるかも知れませんが、今年は何でもやります。負けませんよ」

 11日に今年初実戦の台湾・ラミゴ戦を控える。井上は「4番・DH」で出場予定だ。【ロッテ担当 古川真弥】

インタビューボードの前で即興コントを披露するロッテ井上(左)と高浜(撮影・古川真弥)
インタビューボードの前で即興コントを披露するロッテ井上(左)と高浜(撮影・古川真弥)

DeNA尾仲&佐野が第2クールMVP

 DeNAアレックス・ラミレス監督(42)が9日、沖縄・宜野湾キャンプ第2クールのMVPを発表した。

 投手はルーキーのドラフト6位尾仲祐哉投手(22=広島経大)。野手では、こちらも新人でドラフト9位佐野恵太内野手(22=明大)の名前を挙げた。同監督は「ポジティブなことが多くあって、すごくいい第2クールだった」と満足げだった。【DeNA担当 栗田成芳】

練習を終え、囲み取材に応じるDeNAラミレス監督(撮影・足立雅史)
練習を終え、囲み取材に応じるDeNAラミレス監督(撮影・足立雅史)

ソフトバンク吉本、打球直撃も我慢続投

 育成ながらソフトバンクA組キャンプに初参加している吉本祥二投手(23)が、この日チーム一番の根性を見せた。

 この日初めて打撃投手を務め、1人目の育成曽根には24球で安打性1安打と好投。続く2人目牧原の初球、強烈なピッチャー返しの打球を避けようと後ろを向いた右腰に直撃。その場で倒れ込んだが、痛みを我慢し続投。7連続ボールと制球を乱しながらも最後まで投げきった。「めちゃくちゃ痛かったですよ。でも、あのままやめられる雰囲気でもなかった」。投手陣の層は厚く、生き残りは厳しい状況の中、何とかチャンスをものにしようとしている。【ソフトバンク担当 石橋隆雄】

ソフトバンク育成吉本(左)は牧原(36)の打球を右腰に受けながらも、マウンドに戻る
ソフトバンク育成吉本(左)は牧原(36)の打球を右腰に受けながらも、マウンドに戻る