昨秋の社会人野球日本選手権で初優勝したヤマハ(静岡・浜松市)が、このほどキャンプインした。関川村出身で、09年に日本文理を県勢初の夏の甲子園準優勝に導いた伊藤直輝投手(25=東北福祉大)もブルペンで熱のこもった投球を披露。順調な仕上がりをアピールしている。この冬は「パワー重視」を掲げており、出雲崎町出身で巨人入りしたエース池田駿(24=新潟明訓-専大)に代わり、先発の柱を目指す決意だ。

 ブルペン投球を終えた伊藤が、満足げな表情で振り返った。

 伊藤 今まではコントロール、キレを重視していたが、この冬はパワーを付けることを意識し、「力強いボール」をテーマにしています。トレーニングも順調で、力がついていると実感できています。

 入社4年目を迎える最速145キロ右腕の伊藤は昨年11月7日、日本選手権の準決勝(大阪ガス戦)で4-2の6回からロングリリーフし、4回を無失点に抑える好投でチームの日本一に貢献した。

 今季は同大会でMVPに輝いた池田が抜けた穴を埋める活躍が期待されており、「先発の柱になれるように頑張りたいですが、中継ぎ、抑えでも自分の仕事ができるようにしたい」と自覚十分。得意のスライダー、カットボールに加え、直球の威力がさらに増せば、どの役割でも大きな働きが期待できそうだ。「まだまだ150キロも目指しますよ」と笑顔を見せる伊藤。さらなる進化を目指し、右腕を振り続ける。【鈴木正章】

 ◆伊藤直輝(いとう・なおき)1991年(平3)4月16日生まれ、関川村出身。小3から捕手で野球を始め、関川中では3年時に県準V。日本文理では3年時に春夏で甲子園に出場し、夏は5試合オール完投でチームを県勢初の甲子園準Vに導いた。大会後にソフトバンク今宮(明豊)らとともに、米国遠征の日本選抜メンバー入り。東北福祉大では4年時に同大初の主戦投手で主将を務めた。右投げ右打ち。177センチ、80キロ。