【ピオリア(米アリゾナ州)9日(日本時間10日)=本間翼、木下大輔】実力十分の本格派有望株が、華々しい今季の実戦デビューを飾った。日本ハムの高卒3年目右腕・石川直也投手(20)が、紅白戦で2回1安打無失点。最速148キロの直球と変化球のコンビネーションで、1軍入りへ大きくアピールした。昨年の同地での紅白戦で鮮烈な印象を残した高梨は、1軍に定着し新人王へと上り詰めた。同様の期待を抱かせる内容だった。

 192センチの長身から、角度のあるストレートが糸を引くように伸びた。マウンドに上がった3回は11球全直球。高卒3年目の石川直が、今季初実戦に魂をぶつけた。「真っすぐで押せてよかったです」。最速は148キロ。4回先頭の大田は、追い込んでからフォークで空振り三振。「狙って取った」と、表情を引き締めた。

 着実に階段を上がってきた。入団1年目は右肩痛に苦しんだが、昨季は2軍で40試合に登板。9月には札幌ドームで1軍デビューを果たした。昨年、米アリゾナでの紅白戦で鮮烈な印象を残した高梨も当時3年目。新人王へと駆け上がる道筋は見えている。「このままの状態でシーズンに入って、1年間1軍にいられたらと思います」と気持ちを高めた。

 端正な顔立ちを変えることなく、常に冷静沈着。2人の兄はそれぞれ10、8歳違いで、小さい頃から兄弟げんかもしたことがないというが、熱い気持ちは胸に秘める。好きな言葉は「剛毅木訥(ごうきぼくとつ)」。意思が強くくじけない「剛毅(ごうき)」と、無口で飾り気がない「木訥」を合わせた四文字熟語。「意味が自分に合っていると思います」。栗山監督も「いい球が来ている。もっと良くなる」と期待した。

 米アリゾナでの1次キャンプは今日10日(日本時間11日)が最終日。「メジャーの施設で、いい経験ができました。レベルの高いところで、いい練習ができました」。日本一の投手陣に、力強く、新風を吹き込む。