1軍キャンプに1日体験した広島ドラフト2位の高橋昂也投手(18=花咲徳栄)が、ブルペンで度胸満点の投球を披露した。多くのファンや報道陣が集まり、捕手の後ろから緒方監督や松田オーナーらが見守る中、切れのいい球を投げ込んだ。真っすぐに加え、2種類のカーブやスライダー、ツーシーム、フォークと全ての球種をみせた64球。慣れない環境に「最初は緊張から力んでしまった」と言いつつ「思ったよりも自分のペースでできたかなと思う」と振り返った。

 物おじしないハートも披露した。受けた捕手は、昨季チームを25年ぶりのリーグ優勝に導き、ゴールデングラブ賞にも輝いた正捕手石原だった。それでも、球種をジェスチャーで伝えるのはもちろん、コースまで“指示”。荒れることなく、ほとんどの球をコース通りに制球してみせると、最後は初バッテリーの大先輩捕手とグータッチだ。

 堂々とした投げっぷりに松田オーナーも「あそこまで低めにストレートを制球できるとは」とにっこり。緒方監督も「いい素材が入ってきた。将来が楽しみだなという印象を受けました」と目を細めた。今日13日からは再び2軍キャンプに舞い戻るが、肌で1軍を味わった高橋昂は「できれば早くチームに貢献したい気持ちはあります」と気持ちを新たにした。左腕不足のチーム事情もあり、今回は1日限りだったが、早期1軍昇格があるかもしれない。【前原淳】

 ◆高橋昂也(たかはし・こうや)1998年(平10)9月27日、埼玉・久喜市生まれ。小3から栗橋ジャイアンツで野球を始める。栗橋東中では久喜シニアに所属。花咲徳栄では1年秋からベンチ入り。2年夏は甲子園8強、3年春はセンバツ初戦で秀岳館に敗れた。181センチ、86キロ。左投げ左打ち。趣味は音楽鑑賞。家族は両親と姉。