テスト生として楽天のキャンプに参加していた元DeNAの久保裕也投手(36)が16日、沖縄・金武町でのハンファ戦の4回から登板し、1回1安打無失点に抑えて、合格を決めた。

 先頭打者にバント安打を許したが、一塁ゴロの間に走者が二塁に進むと、三振と三盗を狙った走者の盗塁死で、3人で抑えた。

 試合直後は合否の発表は行われず、「とにかく緊張しました。ピッチング練習の時からのどがカラカラだった」と話し、タクシーで球場を後にしていた。

 その後、星野副会長、梨田監督らが会談し、合格が決定。久保は、宿舎に戻る途中で呼び戻された。

 星野副会長からサブグランドで合格を告げられると「内心、今日のできを自分で評価すると厳しいかなと、あきらめていました。本当に涙が出るくらいうれしかったです。2回戦力外になって、野球ができないと思っていたところで、チャンスを頂いて、合格もさせてもらった。チームに恩返しできるように頑張ります」と感激した。

 星野副会長は「あいつの経験とかをアドバイスしてもらいたい。ジャイアンツで抑えをしたこともある。適材適所。期待しています」と言い、梨田監督は「経験も豊富で力になってもらえる。テクニック、うまさを持っている。若い選手の手本になってもらいたい」と期待した。

 久保は3日連続でブルペン入りして、この日を迎えるなど、精力的に投球練習を続けていた。

 「皆さんは期待されていないでしょうけど、いい意味で裏切れるように頑張ります」と締めくくった。

 正式契約は、後日行う予定だ。【NPB担当 前田祐輔】