昨年、社会人野球日本選手権で初優勝したヤマハの4番前野幹博(21)が27日、好投手から初安打をマークした。今秋のドラフト1位候補左腕となるJR東日本の田嶋大樹(20)から右前打。プロ球団スカウトが見守る中、存在感を示した。PL学園(大阪)からヤマハに入社して4年目の今年、ドラフト指名をうかがう主砲がアピールした。試合もヤマハが3-1でJR東日本に勝利。前日に続き、2連勝となった。

 ヤマハの主砲がプロ注目左腕から今季初安打を放った。スタンドに集結したオリックス、日本ハムのスカウトの眼前で、前野は5回表無死1塁、1ボールから2球目の直球を右前にはじき返した。4番で出場した前日は3打数無安打1死球。この日も中飛、三振と続いた3打席目で待望の今季初安打。「結果はまだまだですが、打ち損じをへらすなどのやりたいことが出来ている」と、まずまずの手応えを口にした。

 昨年のドラフト会議でチームメートの池田駿投手(24)が巨人に4位指名された。高卒で3年目の前野もドラフト解禁でプロ指名を期待したが、名前はなかった。それでも「池田さんがすごいなと思ったし、次は自分がそうなりたい」と刺激を受けた。

 冬季練習は内山靖允トレーナー(34)のもと、ウエートトレを消化。体重は89キロから94キロに増えた。同トレーナーから「これまでもやってきたが取り組む姿勢が変わった」と評される。オープン戦後、コーチと選手数人によるフリー打撃にも参加。日本ハム熊崎誠也スカウトは「練習を見ても打球の飛距離はプロと遜色ないが、試合で結果が出せていない。何かのきっかけで変わると思う」と分析していた。【大野祥一】