観音様の御利益ありました。ロッテ江村がオリックスとの練習試合で、バットでアピール。犠飛と適時二塁打で2打点を挙げると「(御利益が)ありましたね」と、つぶやいた。

 前日27日、宮崎市内の久峰(ひさみね)球場での投手練習に参加。練習が終わると球場の裏山に登り、久峰観音にお参りした。敏達天皇(572~585年)の時代に建てられたという由緒あるお寺。願い事を聞かれ「第2捕手になれますように」と控えめに答えたが、本心は少し違う。「田村に勝たないと試合には出られない。でも、人じゃない。まずは自分に勝つこと」。昨季は2歳下の田村がベストナイン。水をあけられた。追い付き追い越すためにも、アピールしていくだけだ。

 適時二塁打は、4回2死一塁で山田の初球を右越えに放った。一番喜んだのは伊東監督。「江村が頑張った」と自ら切り出した。打率1割台の昨季親身に指導した。「打撃が力強くなってきた。覚醒している。若干ね。中学生が高校生になった」と目尻を下げた。江村は「無駄な失点が」と、喜ぶよりも、捕手として5回の3失点を悔やんだ。御利益不要の実力で地位を上げる。【古川真弥】