オリックスのドラフト1位、山岡泰輔投手(21=東京ガス)が、出身地広島で開幕ローテーション入りを決める快投を演じた。プロ最長の7回1/3を2失点。晴れ姿を見に来た両親や、親戚20人を喜ばせた。

 「たくさんの人が応援に来てくれると聞いていた。その分も頑張ろうと思った。マウンドは懐かしかった」

 マツダスタジアムは瀬戸内の3年夏、県大会準々決勝以来。制球やテンポ良く、5回まで無安打で抑えた。交代メドだった100球に、なかなか到達しない省エネ投球。「社会人では150球とか平気で投げていた。100球くらいなら問題ない」と笑顔で振り返った。

 父秀治さん(48)は社会人時代も各地に応援に出向いた。今年2月の宮崎キャンプでも観戦したが、地元で躍動する息子の姿に「感慨深いです」と話した。降板した山岡は、広島ファンからも拍手を浴びた。

 自ら希望して1位指名した福良監督は「スタミナも十分。課題らしい課題がない」と絶賛。4月4日からの開幕2カード目、西武戦にプロ初登板が濃厚となった。開幕ローテ5人衆は金子、コーク、西、ディクソン、山岡でほぼ確定。ドラフト1位右腕への期待は膨らむが、本人は「このままいければいいが、そんなに甘くない」といたって謙虚。経験と自信を重ねていく。【大池和幸】