中日ドラフト2位の京田陽太内野手(22=日大)の走りに注目したい。直線距離を走れば俊足ぞろいのチームでもトップクラス。ダイヤモンドを軽やかに駆け抜ける姿は、森監督が掲げる機動力野球の象徴になっている。

 当初はただ「速いだけ」だった。プロ仕込みのベースランニング、スライディング技術をみっちりとたたき込まれ、洗練されてきた。スライディングは先輩荒木を見習い、近い距離から角度をつけてベースに右足を突き刺すイメージで繰り返している。

 「プロで初めて教わることばかり。でも、こういう細かいことをやっていかないと1軍では通用しない。整理しないと頭がパンパンです」

 オープン戦出場と並行して、1人だけ個別練習を課され続けても、つぶれない体力がある。京田の急成長を促す強みだ。弱点といわれたバットも1軍レベルに対応している。遊撃を争うライバルは11年目の堂上。安定感や打力ではまだ後塵(こうじん)を拝するが、この新人には十分勝負できるだけの武器がある。【中日担当 柏原誠】