33歳の「今江少年」が、絶好調過ぎる。楽天今江年晶内野手が、4打数2安打2打点で打率を6割2分5厘に伸ばした。前日3月31日の開幕戦は、4打数3安打1打点と猛打賞の活躍。チームも14安打13得点と打線がつながり、球団では14年以来4度目の開幕2連勝を飾った。

 まるで、ゲーム。今江がバットを振れば、面白いように打球が抜ける。0-0の2回2死走者なし。好調さを示すように、初球から迷いなく振り抜いた。オリックスの新外国人・コークのど真ん中速球を左中間へ。守備がもたつく間に二塁を陥れた。第1打席で先制のホームを踏めば、次打席では得点圏で勝負強さを発揮。2点リードの3回1死満塁から中前打で、2打点をマークした。前日の開幕戦では、4打数3安打と猛打賞。「いい状態。本来のスイングが出来ている」と笑みをこぼした。

 打率は6割2分5厘。日本ハム大谷と同率で、リーグ2位の堂々たる数字。「本当は3、4、5番に(走者を)かえしてもらって。僕は気持ちよく打ちたいんですけど」と冗談っぽく笑うが、梨田監督は「いいところで、打ってくれている」と2試合連続で「6番」に座った男の活躍に最敬礼だ。

 体は大人。心を“子ども”に戻した。FA移籍1年目の昨季はキャンプ前に左ふくらはぎを負傷、シーズン中も腰痛を発症するなど故障に泣かされた。ロッテでレギュラーを獲得した05年以降では最少の89試合出場、打率2割8分1厘、3本塁打、23打点だった。「焦りもあったと思う。ボールを思いっきり、打つとか、野球を始めた時の楽しくて仕方ない、そんな気持ち思い出したい」とリラックスした状態で今季を迎えた。「僕は本当に野球が好きだから。野球をやっていなかったら、とかも考えられないし」とキャンプから笑顔満点で、ボールを追いかけた。

 そんな、はつらつプレーが、打線に相乗効果をもたらした。計14安打13得点とフィーバー。14年以来、3年ぶりに開幕2連勝と最高のスタートを切った。就任2年目はすこぶる強い梨田監督も「明日が大事。西はいいピッチャー。東を向いて打つしかない」と“絶口調”だった。【栗田尚樹】

 ▼楽天が開幕2連勝。楽天の連勝スタートは09年(4連勝)11年、14年(3連勝)に次いで球団史上4度目。梨田監督の開幕連勝発進は、近鉄時代の01~04年に記録して以来で13年ぶり5度目となった。ちなみに梨田監督は過去に率いた近鉄、日本ハムとも就任2年目でリーグV。優勝した01年近鉄では開幕2連勝、09年日本ハムでは開幕3連敗と対照的なスタートだった。