復活の第1歩を踏み出した。巨人内海哲也投手(34)が今季初先発で初勝利を挙げた。7回を6安打1失点。打撃でも5回1死三塁で勝ち越しの中前適時打を放った。昨年12月、右胸骨の内側にできた腫瘍を摘出する手術を受けた。ケガもあってここ3年間は1ケタ勝利だったベテランが病気も克服し、3年ぶりにつかんだ開幕ローテーション。チームを19年ぶりの開幕5戦全勝、12球団唯一の開幕5連勝に導いた。

 全身から喜びがあふれ出た。7回2死二、三塁。DeNA梶谷に初球スライダーを捉えられた。「行かれた」。同点3ランを覚悟したが、打球は失速し右翼長野のグラブに収まった。跳びはねるように三塁側ベンチに戻りながら、左手でガッツポーズ。素直に感情のままに振る舞った。

 同点の5回には、井納のフォークを「球に合わせるだけでいいかな」となりふり構わずバットに当てた。5年ぶりの適時打で決勝点をもぎ取った。投打で開幕5連勝に貢献。「5回は勝ちの権利が懸かってガチガチに緊張しました。本当に良かったです」。ベテランでも初々しく喜びをかみしめた。