荒れたフォークに狙いを定められなかった。ヤクルト山田は「バッターとしたら一番、最悪の球」と苦々しく振り返った。広島加藤の前に2三振2四球と抑え込まれた。6回無死一塁。フルカウントからの9球目、真ん中高め133キロのフォークに空振り三振し、盗塁を試みた一塁走者坂口も二塁で刺殺。“三振ゲッツー”に「ちゃんと落ちてくれれば見逃したりできたけど、頭になかった」と不規則な変化に苦しんだ。

 ノーヒットノーラン阻止の一打は、狙いを定めていた。9回1死一塁でバレンティン。初球の133キロ、真ん中甘めに入ったフォークを引っ張った。打球は広島ファンの悲鳴とともに三遊間を痛烈に破り、チーム初安打。「試合の中でフォークが多かった。ノーヒットに抑えられていたけど、良い当たりがいくつかあった。最後の最後で打ってやろうとフォーク1本狙いでいきました」と読み切っていた。

 6回にも三遊間に強烈なゴロを放ち三塁小窪がはじくも、遊撃田中が拾って一塁転送。好連係に阻まれたが、安打の予兆はあった。バレンティンは「いい投球はされたが、対策は見えた」ときっぱり。次回の対戦で打ち崩す。【島根純】