巨人にとっての鬼門、7回が超えられない。エース菅野智之投手(27)が6回、広島打線につかまり途中降板。7連勝中の首位広島を本拠地東京ドームに迎えた一戦で、勢いを止められなかった。6回、先頭鈴木の左前打をきっかけに一挙5失点で逆転された。5回2/3を7安打5失点で救援を仰いだ。8、9回のマシソンとカミネロにつなぐ方程式が定まらないチームは、今季初の連敗を喫した。

 悔しさをかみ殺した。エース菅野が、6回2死一、三塁でマウンドを降りた。8奪三振無失点で迎えた6回、先頭の鈴木に左前打を許す。続く松山にストレートの四球を与えた直後、何かが狂い始めた。1死後に味方野選で1失点。そして2死二、三塁、代打小窪に外角低め150キロを捉えられた。右翼の長野が捕球できずに2点適時三塁打。続く田中へ攻めの内角低めスライダーが四球となり、救援谷岡を送られた。「監督、コーチにああいう決断を迫らせる場面をつくった自分が悪い」。125球の疲労も忘れ、自らを責めた。

 真っ向勝負でねじ伏せるはずだった。「ぼくらはチャレンジャー。思い切りぶつかります」と、昨季優勝チームに要所で意地をぶつけた。5回2死満塁のピンチで、打席には昨季4割1分7厘と打ち込まれた丸。外角151キロ直球で空振り三振を奪い、マウンドでほえた。「しつこさ、勢いのある打線ですが、普通にやれば抑えられると思った」。最速153キロの直球とスライダーを軸に、5回まで広島打線を圧倒。手応えがあっただけに悔やまれた。

 黒星はつかなかったが、敗戦の責任を背負った。「6、7回までは投げたいと思っていたが、6回で終われなかった。先頭を出してその後にフォアボール。0点で抑えていればその後も変わっていた」。チームは、8回以降の勝利の方程式につなぐ7回を託せる中継ぎが空位。ブルペンの状況を理解するだけに「この結果を受け止めなければ。しっかり次につなげたい」と厳しい反省が口をついた。

 高橋監督は、交代のタイミングについて「球数? それもあるし、いっぱいいっぱいかなと思った」と説明した。菅野の広島戦今季初登板は無念の途中降板。この敗戦を次回までの糧とする。【松本岳志】