広島が神がかり的な10連勝をマークした。1点を追う9回に代打松山竜平外野手(31)が巨人カミネロからソロを放ち同点。さらに丸佳浩外野手(28)の2点適時打で勝ち越し、石原慶幸捕手(37)の3ランなどで一挙7点を挙げた。2年連続の10連勝は球団史上初。昨年のセ・リーグ王者が早くも独走の勢いだ。

 まだ同点。それでも広島ベンチはお祭り騒ぎだ。1点を追う9回。代打松山は巨人守護神カミネロの初球にバット一閃(いっせん)。快音を残した打球は巨人ファンの悲鳴とともに右翼席に吸い込まれた。10打席無安打と苦しんでいた松山の一振りが、2回から8回まで1安打と眠っていた打線を目覚めさせた。

 「負けていても、うちならひっくり返せるという雰囲気がある。負ける気がしない。その流れに乗っていきたい。本当に強い。ベンチから見ていても、強い」

 広島のいじられ役が流れを変えた。31歳。チームでは年長者も、年下からいじられる。エルドレッドからも日本語で「デブ」「スキッパ」と言われる愛されキャラだ。試合前には同期入団の丸から「打てないデブは、ただのデブだぞ」とちゃかされても笑った。「普段通り。そういうのも助けになった。みんなにすごく、感謝したい」。無安打の選手にも冗談が言える空気が、誰かが打たなくても、誰かが打つ流れを生んでいる。