DeNAの「3番梶谷」が本領発揮し、延長戦を制した。3打席連続空振り三振で迎えた延長10回の5打席目。1死満塁の大チャンスに気持ちは自然と前向きだった。「3つ三振だったけどそんなに悪い感じがなかった。負い目を感じることなく入れた。追い込まれる前に打とうと思った」。狙いは早打ち。狙い通り2球目の変化球を中前へ運び、決勝タイムリーで勝利を呼び込んだ。

 前日から今季初めて3番で起用されたが、8打席連続ノーヒット。得点圏打率は2割と、チャンスで打てていなかったバットが、延長で快音を鳴らした。右太もも裏にはずっと抱えている不安があった。開幕時から張りを感じながらもだましだまし続け、ついに14日のヤクルト戦から3試合欠場。「我慢していたけど、ブチッといきそうな怖さが出た。何か潜んでいる感じ。小さなおじさんがいる感じがする」と独特の表現で明かしていた違和感も「だいぶ小さくなった」と回復したが完治はしていない。

 首位広島の初連敗と同時に、チームは初の連勝。手負いの中で、昨季10月に敗れたCSファイナルのリベンジを果たした。2カード連続の勝ち越しで「明日からホームで乗っていける」と勢いを得て横浜へ戻る。【栗田成芳】