金本阪神が「独走」への離陸態勢に入った。若い力がこの日も推進力になった。8回裏2死二塁。途中出場の高山が初球、左腕バルデスの直球をとらえた。ライナー性の打球が中堅手の頭上を越した。「集中して、打席に入れた結果が初球からだったので、よかったと思う」。決勝の適時二塁打に、ベンチも総立ちで盛り上がった。

 5月は10勝2敗と破竹の快進撃が続く。若虎の競争意識が日替わりヒーローを生む。選手のやりくりに苦しんだ昨年から、底上げに成功。二遊間で北條や大和、上本、糸原が争えば、一塁と外野では中谷、高山、原口がしのぎを削る。「毎日、スタメンは悩んでますよ。調子であったり、去年、今年のデータ。守り。基本的には相性とデータ、その日の片岡コーチの直感ですよ」と金本監督はどこかうれしげだ。2位広島が敗れ、2・5ゲームと差を広げた。4連勝で貯金は「12」。チーム一丸で優勝へとはばたく。