代打出場の阪神伊藤隼が今季1号を放った。3点を追う6回。先頭で代打に送り込まれると、ヤクルト原樹が投じた初球カットボールを右翼スタンドに突き刺した。

 「ある程度、積極的にという気持ちがあった。円陣を組んだ時に片岡コーチからも『積極的にいこう』という言葉がありましたし、代打での打席だったので初球から思い切って振りにいきました」

 6回攻撃の直前にはベンチ前で片岡打撃コーチを中心とした円陣が組まれた。5回を終えてチームのヒットは鳥谷の右前打1本だけ。伊藤隼のフルスイングが沈黙する打線を刺激した。

 代打本塁打は今季チーム初だった。伊藤隼自身も通算8本塁打中3本が神宮。プロ初アーチとなった12年9月27日の満塁本塁打もこの場所だった。「やれることをしっかりとやるだけです」。試合後も表情を緩めることはなかった若武者。今日20日以降もチャンスはありそうだ。