阪神が約1カ月ぶりの連敗を喫した。敵地神宮でのヤクルト戦。中8日の登板間隔を空けた先発岩貞祐太投手(25)が復調の兆しなく、5回3失点で3敗目。試合後、2軍調整が決まった。打線は6試合連続1桁安打で、ソロアーチ2発の2得点に終わり、4月19、20日以来の2連敗。イヤ~な黒星となったが、今日20日から再び白星街道を突き進むぞ。

 やられ方がいただけない。金本監督は5月初の連敗を喫した直後、静かな口調の中に怒りをにじませた。期待が大きいからこそ、変化なき先発岩貞の立ち上がりに納得がいかなかった。

 金本監督 ちょっと、開幕から何も修正がなされていない気がしますね。ストライクが入らない。ボール先行で変化球も浮く。

 中8日でのマウンド。1回、いきなり1番荒木を歩かせる。2四球1安打で2死満塁。6番大引にはチェンジアップが高くなり、右中間への二塁打であっさり2点を先制された。これで今季6試合先発で5度目の初回失点。同じパターンが繰り返されているだけに、指揮官の言葉も「チームの雰囲気は、またか、となる」と厳しくなった。

 いきなり劣勢に立たされると、打線もヤクルト原樹の前に一時期の反発力を見せつけられない。3点を追う6回表無死、9番岩貞の代打伊藤隼が今季1号ソロをたたき込み、1番高山、2番北條も連打でなおも無死一、二塁。ここで3番糸井、4番福留、5番中谷が3者連続凡退し、反撃ムードはしぼんだ。頼みの糸井が12打席連続ノーヒットとやや調子を落とし、チームは6試合連続1ケタ安打。試合前時点で今季10勝4敗だったカード初戦を落とし、貯金は10に戻った。

 試合終了直後、金本監督は香田投手コーチと話し込みながら左翼芝生を歩いた。岩貞は5回3失点で3敗目。今季6試合先発のうちクオリティー・スタート(6回自責点3以内)のクリアは2試合だけだ。登板間隔を空けてコンディションを整える期間も設けたが、復調には至っていない。

 指揮官は岩貞の今後について「これはもう話し合いになりますけどね」と表現。2軍には青柳、榎田、岩田ら先発陣が出番を待っており、首脳陣は最終的に昨季10勝左腕の2軍降格を決断した。2位広島も中日に敗れ、1・5ゲーム差は変わらない。首位を走っているうちに、土台を整え直したい。【佐井陽介】

 ▼岩貞は今季6試合中、5試合で1回に失点。計11失点で、全21失点の過半数が集中している。阪神は、岩貞が初回無失点の4月18日中日戦、1失点の5月3日ヤクルト戦でいずれも勝ち、2失点以上だった残り4試合では全敗。初回の出来がチームの勝敗に直結している。岩貞の1回の被打率は4割1分4厘で、2回以降は2割4分8厘。また全15与四球のうち、1回に8与四球が集中。初回の不振は深刻だ。