リーグ7連覇中の富士大が意地の逆転勝ちで、2年連続で初戦突破した。2回に自らの失策で先制点を許していた浜竜太郎内野手(3年=佐久長聖)が勝ち越し打を放った。1-2の6回に相手投手の暴投で追い付き、なお2死一、三塁。外角の変化球を振り抜き右中間に運んだ。「ミスを取り返そうと必死だった。4年生がまとまっていたので、3年生が下から盛り上げたかった」。激走した三塁上で両手で握りこぶしをつくって何度もガッツポーズを繰り出し、喜びを爆発させた。

 豊田圭史監督(33)は浜の粘りを絶賛した。「守備のミスを引きずらないで、よく取り返した」。強気の采配もさえた。「このままじゃ勝てない流れ」と、調子の上がらないエース右腕加藤弦投手(4年=八重山商工)を3回で降板。2番手を託した左腕鈴木翔天(そら、3年=向上)が6回無失点で粘り、逆転の流れを呼び込んだ。

 負けられない理由があった。7回にバント小飛球をダイビングキャッチして、チームをもり立てた主将の小林遼捕手(4年=仙台育英)は目を光らせた。明日7日の2回戦で激突する立大(東京6大学)の主将は、仙台育英の同級生の熊谷敬宥(4年)が務めており「絶対負けられない。向こうは初戦なので、相手の隙をついて戦う」。豊田監督も「向こうはエリート集団で、僕らは地方大学。ハングリー精神を持ってやる」と闘志をむき出しにした。