取り残された。ヤクルトは引き分けを挟んで15年5月以来の9連敗。交流戦で12球団で唯一勝利がなく、自力優勝の可能性が消滅した。試合後、真中監督は淡々としていた。「自力優勝…。こんなに負けたら自力もへったくれもないよ。1つ1つやるだけだね」。現状を受け止め、目の前の1勝に力を尽くすと言った。

 必死にもがいている。この日も打線がつながらない。4回の雄平の1打点は、実にチームで35イニングぶりの適時打。散発の8安打に封じられた。中でも山田の不調が響く。3試合ぶりに安打を放つも5回1死満塁で三振。追い上げの好機を逃した。なかなか上がらない状態に「最後の打席はいい感じだったけど明日になると忘れる。染みつかず、体が開いたりする」と苦しい胸の内を明かす。

 自分たちの力で、負の連鎖を断ち切るしかない。小川シニアディレクターは「まずは1つ勝つこと。(戦力補強で)現場の後押しをしたいが、なかなかできない現状がある」と話した。コーチ陣の入れ替えや補強の大きなテコ入れは早急に行わない見込みだ。畠山、バレンティンら主力の離脱による戦力低下は大きい。だが、山田は「僕は前向きしかない。連敗してても切り替えていく」と話した。勝利へ、ただ前を向いて挑む。【島根純】

 ▼ヤクルトが交流戦開幕から1分けを挟んで9連敗。交流戦の開幕9連敗は10年ヤクルトと今季の巨人に並ぶワーストとなった。ヤクルトは残り86試合に全勝しても勝率7割4分6厘。広島がヤクルトとの残り14試合に敗れても他カードに全勝すれば7割5分4厘になるため、ヤクルトの自力Vが消滅した。