広島ジョンソンは、彼本来の球のキレが足りなかった。いいときならストレートのキレもあり、カーブも鋭く変化するが、3回にDeNA打線につかまったときは、いずれもいまひとつだった。持っている投球ができれば、打者は差し込まれたり、振り遅れたりする。わずかな違いだが、その差は大きい。

 ただ、4回以降は腕も振れて、球にキレも出てきた。左ハムストリングスの筋損傷から復帰後、まだ完全に復調したとはいいがたいが、この日の後半の投球には、本人も首脳陣も手応えを得たのではないか。

 リーグ連覇はもう目の前で、首脳陣は現実的にはクライマックスシリーズや日本シリーズを想定しているはずだ。ジョンソンはそこで間違いなく必要になる投手。ポストシーズンは投手力が重要になる。そこで“使える”かどうか、残り試合で見極めることになる。

(日刊スポーツ評論家)