虎一筋16年の阪神安藤優也投手(39)が15日、西宮市内のホテルで会見を開き、今季限りの現役引退を発表した。

 <安藤と一問一答>

 -今の気持ちは

 一番はホッとしたというか肩の荷が下りた。毎朝、体の心配をしなくていい。ホッとした気持ちですね。

 -いつ頃から考えたか

 8月に入ってから頭のかたすみにあった。9月になって本格的に考えるようになった。12日に決断をしまして、球団の方に引退しますと報告しました。

 -最初に報告したのは球団

 ご苦労さまという言葉をかけてもらいました。

 -引退の相談は

 基本的には自分でじっくり考えたんですが、家族、両親には一番最初に相談して…。いろいろな感情もありましたけど、家族と両親に相談したって感じです。

 -ご家族に報告した時の反応は

 覚悟はしていた。年齢的なこともあったし、今年1軍で投げていなかったのである程度の覚悟はしていたみたいです。お疲れさまでしたとねぎらいの言葉をかけてもらいました。

 -お子さんの反応は

 あまり野球には興味がない子なので、反応は薄かったです。逆に、それくらいが良かったかなと思います。

 -奥さんからは

 お疲れさまでしたと、長い間、よく頑張ってもらいましたと言葉をかけてもらいました。

 -迷いはなかったか

 先ほども言いました通り、8月くらいからは徐々に頭の中に引退という言葉があって、9月に入って、じっくり自分の中で考えて決断しましたので、その時は現役でやれると自信はどこかにありましたが、総合的に判断してここが僕の引き際ではないかと判断しました。

 -16年間を振り返って印象深いことは

 本当にいろいろあるんですけど、いい思い出もあるし、悔しい思い出もありますけど…。強いて言うなら、今年2017年、ファームにいた1年間は僕にとって貴重な1年間だったと思います。若手と一緒に練習してきて、自分の野球に対する考え方だったりとか、改めて感じたというか、考えさせられた1年間だったので。戦力にはなれませんでしたけど、今年ファームで過ごした1年間っていうのは、僕にとっては思い出深い1年間になりました。

 -入団当初は16年間プレーすることをイメージできたか

 (ユニホームで涙を拭きながら)元々、体の強い方ではなかった。まさか40歳になる年まで現役でプレーするとは思っていなかった。本当に周りの人に支えられてここまで来られたのかなと思います。感謝したいと思います

 -どんな16年間でしたか

 いろいろ悔いはあります。100%で引退することはまずないですから。ほぼ悔いのない現役生活だったと思います。

 -引退後にしたいことは

 12日に引退を決断しましたので、まだ何も考えていないです。これから時間もありますので、いろんな人に相談しながらゆっくり考えていきたい。

 -ファンへメッセージを

 16年間、熱いそして温かい応援ありがとうございました。時には叱咤(しった)激励や厳しい言葉がありましたけど、後輩たちにはなるべく厳しい言葉というより、温かい言葉をかけてやって応援して下さい。本当に16年間、ありがとうございました。

 -甲子園のマウンドから右翼席はどうだったか

 甲子園は他の球場と違う雰囲気があってファンが力をくれる球場だなと思いました。特に甲子園で投げる時はライトスタンドから力をもらいました。

 -自分自身にどんな言葉をかけたいか

 よくやった、ですかね。

 -涙にはどんな思いが込められたか

 なんの涙かは分からないです。ホッとしたのか、悔しいのか、まだまだやれるのかという涙なのか、いろいろな感情があってなのか表せない。

 -関西という場所、甲子園という場所はいかがでしたか

 関西は特に縁もなかったんですけど小さい頃から甲子園に憧れて、その甲子園でプロ初勝利を挙げられましたし、この甲子園が仕事場になったのは夢のようなことでした。本当に甲子園は素晴らしい場所でした。

 -ここまでやってこれた武器は

 大したボールがあるわけでもないですし、大した選手でもなかった。それでも自分の一番の武器はコントロールだと思う。コントロールと度胸で16年間、やってきたのかなと思う。この2つさえあれば、僕みたいなピッチャーでも長くできるのかというところかなと思います。

 -先発も中継ぎも経験した。どちらが思い入れ深かったか

 ちょうど半分くらいですね。8年、8年ですかね。それぞれいいところがあり、しんどいところがあり。どちらでも経験させてもらって優勝している。どこでもやれたというのは僕にとって財産ですね。