阪神鳥谷はプロ野球史上15人目となる通算1000四球を達成した。5回2死三塁。フルカウントから外角高めの直球を見送り、大台に到達した。レギュラーシーズン最終戦での偉業達成となったが、10日は安藤の引退試合であり、新井の現役最後の一戦。「こんな時にそんな話(1000四球)はどうでもいいでしょう。そんなことを書くんだったら、安藤さんや良太のことを書いてあげて」と気遣った。

 5回の打席でベンチに退くと、代打登場した新井が三塁守備に就く前にはキャッチボール役を買って出る場面もあった。「自分の代わりに出るから」と笑顔ではぐらかしたが、かわいがってきた弟分の最後に粋な計らいをした形。自身の個人記録には目もくれず、2人の最後を優しく見届けた。

 ▼通算1000四球=鳥谷(阪神) 10日の中日25回戦(甲子園)の5回、三ツ間から今季77個目の四球を選んで達成。プロ野球15人目。初四球は04年5月23日の巨人12回戦(甲子園)で久保から記録。

 ▼鳥谷の1000四球の中で敬遠(故意四球)はわずかに21で、全体の2・1%。1000四球を達成したプロ野球15選手のうち最低の比率となっている。この15人中、王の427を筆頭に100敬遠以上が7人。自力で四球を勝ち取る鳥谷の選球眼が光る。