今季限りの現役引退を決意した阪神新井良太内野手(34)が11日、西宮市内の球団事務所で引退会見を行った。

 スーツ姿で会見場に現れた新井は「私、新井良太は今シーズンを持ちまして引退させていただきます」と爽やかな表情で話した。

 現役ラストゲームとなった前日10日中日戦では、試合終了後に福留らに促される形で、球場の中心からスタンドに向けて頭を下げた。一夜明けたこの日、「泣くのを我慢するのに必死でした。いろんなこと、思いが走馬灯のように駆けめぐった」と、笑った。

 引退については「今年は一番強い覚悟で臨んだ。そういうシーズンでしたので。腹をくくった。数字のケジメをとらないといけない」と説明。広島の兄貴浩には早い段階で相談していたようで「お前が決めたらいいと親身になってくれた。自分の一番の味方であり、兄の一番の味方は僕だと思っている」としみじみと話した。

 気持ちを前面に押し出すスタイルで誰からも愛された元気印は「下手くそで不器用で、それだけでやってきた。そのプレースタイルは貫けた」と、最後まで爽やかだった。