ソフトバンク松坂大輔投手(37)が、球団から来季の戦力構想外を告げられ、退団して現役続行を目指すことが4日分かった。球団はコーチ契約を結んで現役復帰を目指す形を打診したが、現役にこだわり、新天地を探すことを決めた。

 14年オフに8年ぶりに日本へ戻り、3年推定12億円の大型契約でソフトバンクに入団した。だが、右肩痛に悩まされ、1軍登板は昨季最終戦の1イニングのみ。契約最終年の今季は4月15日オリックス戦での復帰が確定したが、投げられる状態ではなく回避。その後もリハビリを続け、9月下旬には「続けるつもりがなければリハビリもしていない。もう1度マウンドに立ちたい」と復帰への意欲を示していた。

 球団からは来季はコーチの肩書で復活を目指すプランを提案された。同じく右肩手術を受けた斉藤和巳氏が「リハビリ担当コーチ」の肩書で、現役復帰を目指した。ソフトバンクならではの提案だったが、松坂は支配下選手70人枠を外れることをよしとできなかった。松坂の関係者は「ソフトバンクには感謝の気持ちが強い。だが、それ以上に現役に強いこだわりがあった。本人は苦渋の決断をしたと思う」と話した。

 この日の早朝、福岡・筑後市のファーム施設で汗を流した。金岡寮長らに「お世話になりました」とあいさつし、ほかの選手たちの練習が始まる前に施設を後にした。10月下旬には捕手を座らせてのブルペン投球も行っていたが、37歳の年齢もあり、状況は極めて厳しい。それでも松坂はマウンドに立つことを諦めない。