全日本鍼灸(しんきゅう)学会など9団体は9日、沢村拓一投手の故障が球団トレーナーのはり治療での施術ミスによる可能性が高いとしていた巨人に対して送付した公開質問状に対する回答書を8日に受け取ったとし、内容を公開した。

 内容は次の通り。

 

冠省 貴団体から9月21日付文書「はり治療による長胸神経麻痺に関する報道についての照会」が当球団に送達されたことを受けて、当球団は当該選手を診察した複数の医師から、あらためてお話をうかがいました。

 いずれの医師も、選手の症状等から長胸神経の不全麻痺であり、それに伴う前鋸筋の機能低下であるとの診断に変わりはないと話されています。また、発症時期や当該選手の問診等から、長胸神経の麻痺は、当球団のトレーナーが行った鍼治療が原因となった可能性が考えられると答えられました。ただし、鍼治療以外にも、強い力がかかる他の外的要因によって長胸神経の麻痺が生じた可能性もあるとの意見も出ました。

 お話をうかがった医師はいずれも、経歴や専門分野における実績等に秀でており、当該選手に関する診断は信頼に値するものと当球団では考えています。

 当該選手の長胸神経麻痺はすでに回復しております。また、当該選手を施術したトレーナーは、現在も当球団のトレーナーとして勤務しています。当球団は鍼治療が有効であることを十分認識しており、現在も多くの選手やスタッフに対して鍼治療が行われています。今後も引き続き鍼治療を活用していく方針に変わりはありません。

 末筆ながら、貴団体の益々のご発展を祈念しております。

          草々

  2017年11月7日

  株式会社 読売巨人軍

 

 沢村は今季の開幕前から異常を訴えていた右肩の状態が上向かないために複数の医師の診察を受けたところ「長胸神経まひ」と診断された。2月のキャンプ中にトレーナーから受けたはり治療が一時的な機能障害を引き起こした可能性があるとの所見が出たために球団は9月9日に沢村に謝罪している。