今度は「遊撃大山」プランや!! 阪神大山悠輔内野手(22)が13日、高知・安芸の秋季キャンプで初めて遊撃に本格挑戦した。実戦打撃、内野守備練習の際だけでなく、特守でも守備に就き、感覚を磨いた。今キャンプは二塁に挑戦してきたが、早くも合格点を与えられ、新たに久慈内野守備走塁コーチが発案した遊撃に移った。金本監督も「チャンスが広がる」と前向き。今季、レギュラー不在のポジションだけに幅広く可能性を探っていく。

 ハイレベルな守備センスが新たなチャレンジを生んだ。屈強な背番号3が遊撃のポジションに向かう。安芸での守備メニュー。大山が徹底的にショートの練習を行った。実戦打撃、ノック捕球、そして夕暮れ時の特守でも併殺を想定した二塁送球を繰り返す。今秋キャンプで初めての試みを金本監督はこう説明した。

 「当初、このキャンプで予定は、なかったんだけどね。セカンドで慣れてピボット(二塁ベース送球の足の運び)も、だいぶサマになってきたらしいから。コーチ陣の提案でね。やっておくに越したことはない。チャンスが広がる」

 新人の今季は主に一、三塁と外野を守ってきたが、10月下旬、甲子園での秋季練習から二塁守備に着手。今秋キャンプでも二塁で実戦出場するなど、新たなポジションに挑んでいた。練習で4-6-3の併殺プレーも流れるように完成させるなど、非凡なセンスを発揮。発案した久慈内野守備走塁コーチも後押しする。

 「セカンドを、ある程度できるようになって、今いるメンバーの中で一番、肩が強いのはアイツ。武器なので今のうちに、いろいろやっておけばいい。サードがトリ(鳥谷)、一塁に外国人が入るとなれば(ポジションは)二遊間しか空いてない」

 早々と二塁守備に合格点を与えられたのが驚きなら「遊撃大山」プランもサプライズだろう。二塁だけでなく、遊撃もレギュラーは不在だ。今季は北條が71試合、守ったのが最多。シーズン終盤は名手大和が地位を確保したが、FA権行使を申請しており、去就は流動的。大山が遊撃でも存在感を示せば、新オプションになる。

 大山は、つくば秀英での高校時代に遊撃を守った経験者だ。この日は「ショートができれば、いろんなポジションができるし、幅が広がる」と気合を込めた。遊撃の右打ちスラッガーといえば、元ヤンキースで通算260本塁打の大スター、ジーターがいる。来季2年目を迎える若き長距離砲にスケールの大きな話題がついて回る。【酒井俊作】