阪神が新外国人選手の有力候補に挙げていたウィリン・ロザリオ内野手(28=韓国・ハンファ)との獲得交渉で大筋合意に達したことが1日、分かった。ハンファの保有権が切れて交渉解禁日となったこの日、電撃アタックを仕掛けて一気に交渉を進めたもようだ。韓国球界で2年連続打率3割、30発、100打点以上を記録。待望していた4番候補の加入は何よりの朗報だ。

 虎のロザリオが誕生する。阪神は12月1日、新助っ人の有力候補としていた大砲に電撃アタックを仕掛け、スピーディーに交渉を進めた。ロザリオは11月中までは所属していた韓国・ハンファに保有権があった。交渉解禁日となったこの日、一気に話をまとめたとみられる。

 12月1日付人事で就任した揚塩球団社長はこの日、新助っ人野手の補強について「着実に進んでいると谷本に聞いている。あと少しだと聞いている」と説明。同じく1日付で就任した谷本球団副社長及び球団本部本部長はロザリオという名前こそ明かさなかったが、「いよいよ解禁となるので、身分照会とか手続きを始めたいなと思います」とした。2人とも交渉が大詰めを迎えていることは暗に認めていた。

 谷本球団副社長は相手側との接触については「これからですね」と話すにとどめ、「まだ何も決まっていないので。あまり焦らせないでください」と苦笑いも浮かべていた。ただ、球団は楽天、オリックスなどでプレーしたホセ・フェルナンデス氏をドミニカ共和国でのパイプ役として、水面下で同国ウインターリーグの情勢もチェック。交渉解禁日から迅速に動き、電光石火で大筋合意を取りつけたもようだ。来週中に担当者がドミニカ共和国に向かい、正式契約を結ぶ見通しとなっている。

 4番候補の獲得は今オフの最重要課題だった。今季は来日1年目のキャンベルが不発に終わり、シーズン途中に獲得したロジャースも期待値からは程遠い成績。両助っ人とも今季限りで退団の流れとなった。それだけに1発のにおいがする大砲を喉から手が出るほど欲していた。韓国球界で2年連続打率3割、30発、100打点以上を記録しているロザリオは、理想像にピッタリの存在だった。

 金本監督はこの日、新助っ人野手獲得の報告について「まだ、ない」と話し、「外国人選手には1つ(ポジションを)空けますからね」と朗報を待ちわびていた。メジャー球団、国内他球団も関心を示していた中での大筋合意。虎にひと足早いクリスマスプレゼントが届く日は、近い。

 ◆ウィリン・ロザリオ 1989年2月23日、ドミニカ共和国ブナオ生まれ。06年にロッキーズ傘下のルーキーリーグでデビュー。11年9月6日のダイヤモンドバックス戦でメジャー初出場。メジャー実働5年447試合中、捕手で323試合のほか、一塁で62試合、三塁で3試合出場。16年から韓国・ハンファでプレー。180センチ、99キロ。右投げ右打ち。