楽天松井裕樹投手(22)が1日、チームが掲げる「東北ろっけん活動」で山形・天童中部小を訪れた。6年1組で給食をとり、その後は小5、小6の2学年計260人が参加した、ふれあいイベントに加わった。前日11月30日には、楽天の大先輩、ヤンキース田中将大(29)と会食し、お互いの優勝を誓い合っていた。子どもたちとの交流でリフレッシュし、来年再び任される抑え投手として悲願の日本一に導く。

 楽天の守護神もさすがに、たじろいだ。給食を食べるために着席した松井に手荒い祝福が待っていた。隣に座る児童が上着を脱ぐと、クリムゾンレッドではなく、ソフトバンク柳田のユニホームをまとっていた。

 松井 さすがにびっくりした。相手は日本一の球団、来年もお手柔らかにお願いします、と言っておきました(笑い)。やっぱり子どもは無邪気というか、素直なところはかわいいと思う。元気いっぱいだった。見てるだけで笑顔になる。

 子どもたちから元気をもらった30日には、偉大な先輩と、お互いの健闘を誓い合っていた。13年の日本一を置き土産にニューヨークヤンキースへ羽ばたいた田中らと食事をした。14年入団の松井とは入れ違いになるが、今年1月は自主トレを共にしている。「野球の話はほとんどしなかったけど、ヤンキースも楽天も優勝できたらいいね、という話になった。すごい刺激を受けた」。来年の自主トレも田中に弟子入りし、さらに自分を高めていく。

 11月の秋季キャンプで、来季も再び抑え投手を任されることが決まった。今季は52試合で3勝3敗、リーグ2位となる33セーブを挙げたが、納得はしていない。7月末には左肩痛で1軍登録を抹消された。「優勝に向けてやることは変わらない。今年のスタートはよかったけど、自分のけがを含めて夏場に失速した。体力、技術ではまだまだ」。肉体を一から作り直して、5年目の来季に臨む。「筋トレにもう1回重点を置いて、1年間戦える状態で集まりたい」。若き守護神の目には、今年手が届かなかった日本一しか映っていない。【高橋洋平】