ソフトバンクはシーズン94勝と圧倒的な勝ち方でV奪回を達成。DeNAとの日本シリーズも制して2年ぶりの日本一となった。工藤監督はリーグ優勝を決めた日のインタビューで涙を流した。今宮は日本シリーズで神の手ホームイン。記憶にも記録にも残る王者を見てきた担当記者が挙げる言葉とは…

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▽工藤監督「正直、ホッとしている。昨年クライマックスシリーズで負けてから、このことだけを…(涙)思って…やってきた」(9月16日西武戦でリーグ優勝を決め、優勝監督インタビューで涙を流した。16年に日本ハムに11・5差を逆転されたV逸から1年の思いがあふれた=石橋隆雄)

 

▽今宮「三塁を蹴ってヤバイなと思ったので足ではなく頭から行こうと。左手首の上からタッチされたので、もしかしたらセーフかと思った。ベースを触った感触はあった」(10月29日、DeNAとの日本シリーズ第2戦で神の手と言われる好走塁で生還。プロで初めて本塁にヘッドスライディングした。その本能のままの一瞬の判断に今宮のすごさが見えた=石橋隆雄)

 

▽福田「巨(東浜)にケガをさせてはいけないと思った。とっさの判断。みんな何事もなくてよかった」(9月1日楽天戦で内角球に怒ったアマダーが東浜に突進し威嚇。一塁を守っていた福田が真っ先にアマダーの前に立った。仲間を守るおとこ気を感じた=石橋隆雄)

 

▽和田「三振は取りにいったが(三振後の)場内アナウンスで通算1500個目の三振が井口さんからだと。夢にも思わなかった。自分にとって一生忘れない投球になった」(8月27日ロッテ戦。今季限りで引退する井口の最後の福岡での試合で対戦。ダイエー時代の先輩から記念の三振を奪うドラマに和田のスター性を感じた=石橋隆雄)

 

▽サファテ「先発投手がこれだけ早いイニングで降りたらツケはこっちに回ってくる」(8月1日オリックス戦で延長12回にサヨナラ被弾し、口にした。投手陣のリーダーだからこそ言えた言葉。翌日、工藤監督とも理解しあう。守護神は成績だけでなく精神的な柱でもあると感じた=石橋隆雄)

 

▽柳田「すごい笑顔で、元気で逆にパワーをもらった。打てないくらいどうでもいいなと正直思った」(5月13日楽天戦で今季初の猛打賞。前日に熊本地震で被害が大きかった益城中央小を訪問し、気持ちを切り替える。この熊本から打撃の調子を取り戻した=石橋隆雄)

 

▽柳田「奇跡。打球はめちゃくちゃダサかったけど、みなさんの応援でフェアゾーンに止まってくれた」(6月6日ヤクルト戦。延長10回、三塁線にどん詰まりのゴロがライン上にピタリと止まる推定10メートルのサヨナラ打。翌日は145メートル弾を放つなど柳田の規格外さが現れた2試合となった=石橋隆雄)