東都大学野球リーグの4年生の進路が29日、ほぼ出そろった。国学院大・諸見里匠遊撃手(4年=沖縄尚学)は、プロ志望届を提出したが指名漏れ。社会人の日本通運に入社する。二遊間を組んだ山崎剛二塁手(4年=日章学園)は楽天からドラフト3位で指名。同じ高校の岐阜経大・与座海人投手(4年)も西武から5位で指名された。今秋のドラフトでは、大学時代に同じ経験をした日立製作所・菅野剛士外野手(24=明大)がロッテから4位で指名。諸見里も指名漏れの悔しさを胸に、2年後のプロ入りを目指す。

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 運命のドラフト当日、諸見里は胴上げされる山崎を支える側で記念撮影に納まった。「2人でいければベストでしたが、僕の指名はなかった。でも、気を使われるのも申し訳ないですし、(山崎の指名は)本当に良かったなと」。主将は周囲と同じように笑顔で振る舞った。

 ドラフト中は、山崎とテレビ中継を見ながら指名を待った。山崎が楽天から3位で指名。自らと同じく守備面で評価が高かった立大・熊谷、NTT東日本・福田も3位で指名された。「もう、厳しいかなと覚悟した」。5位が終了した時点で、会見場から裏に引き揚げた。

 「2年後、期待しているぞ」。鳥山泰孝監督(42)から、声を掛けられた。「終わった時は少しウルッと来たけど、まだ終わってないなと。チャンスはまだあるんだと切り替えた」。熱心に声を掛けてくれた社会人の日本通運で、プレーすることを決めた。

 ドラフト後に、ふと見た動画で思いを強くした。明大時代に阪神高山らと指名を待ちながら、指名漏れした、日立製作所・菅野(ロッテ4位)の特集だった。「菅野さんも『2年前の悔しさを』という話をされていた。僕も2年後にプロに行って、恩返しをしたいです」と力を込めた。

 課題は明確である。山崎が大学通算100安打を達成した一方で、今秋のリーグ戦で打率2割と低迷した。「日本通運は打撃のいいチーム。強化したいです」と話した。50メートル走5秒94で遠投は114メートル。身体能力の高さはプロでも通用する。「2年後、また同じ舞台に立てるように頑張る」。山崎との約束を胸に、夢を追いかける。【久保賢吾】