ソフトバンク工藤公康監督(54)が11日、日本ハム清宮と初めて対面し、早くも警戒を強めた。都内のホテルで「テレビ朝日ビッグスポーツ賞」の授賞式に出席。出番を終えて降りようとする清宮とこれから登壇しようとする工藤監督が、すれ違う時にがっちりと握手をかわした。

 工藤監督は「会ったのは初めて。大きいよね」とその18歳とは思えぬ184センチ、102キロの大きな体に驚いた。「あれで体がもっと大きくなれば、すごいことになるだろうね」と、プロとしての体に成長すれば、間違いなくスーパースターになると確信した。

 ドラフトでは競合覚悟で1位指名したが、クジを引く時にはすでに当たりクジは抽選箱には入っていなかった。「クジが当たったところが、本人にとって一番いい球団」という考えだが、1年目から簡単に活躍させるつもりはない。「活躍したら、それはうち(の投手)も打たれているということだからね」。対戦をイメージして監督の顔になっていた。

 一昨年、日本ハムに最大11・5差を逆転されたから、昨年日本一を奪回できた。この日、ステージで表彰され、その思いを新たにした。日本ハムや他球団に今季負けないためにも、昨年12月23日から10日まで約3週間米国に「留学」したことを生かす。監督就任後は初めて、現役時代に鍛えた施設やなじみの先生を訪ね、米国の最新の野球理論、トレーニング理論を学んだ。「現場の人の話もいろいろ聞けた。(学んだことを)チームにも話ができればいい」と還元する。日焼けした顔は、夢いっぱいの清宮に負けないぐらい希望に満ちていた。【石橋隆雄】