ルーキーイヤーの昨年、46試合に登板し、1勝14ホールド、防御率1・03の成績を残した楽天高梨雄平投手(25)が12日、恐るべき運動神経を披露した。

 高梨はこの日、神奈川県内のグラウンドで自主トレを公開。専用の器具やメディシンボールを使った体幹を鍛えるトレーニングをした後、おもむろに逆立ち。一塁線からスタートし、塁間の距離(約27・4メートル)をそのまま手で“歩ききった”。

 逆立ちは「昨シーズン中からやっていたんです。肩を安定させるために。関節がちょっと緩かったので」という。今オフはその量を増やし、10メートル1本だったものを、倒れるまで3本トライすることにした。この日は1本目でいきなり塁間に到達してしまった。

 そもそも「シーズン中は上半身のウエートがなかなか出来ないので、それをどう補助していこうかなと思って。その時に逆立ちが良いメニューだったので去年の夏ごろに始めました」という。

 だが、いくらやろうと思っても、いきなり逆立ちで10メートルも進める人間はそうはいない。それが「やろうと思ったらできました(笑い)」。その絶妙のバランス感覚は間違いなく投球にも生きている。

 ただ抜群の運動神経を持つ高梨でもまだ、自分の体を効率的に100%使い切っているという感覚はない。「福山(博之)さんたちを見ていて、体をどこまで支配できているのかというと限りなく100%に近く動かせているんです。ロスが少ない動きで。僕は現状そこまでではない。どこかで無理があったり、だから肘が張ったり、肩が張ったりというのが出てくる」。現在は体幹を固定できるように鍛え、その上で下半身と上半身が連動する動きに重点を置いてトレーニングを行っている。

 「本当にどれだけでも投げられるようにするために、できるだけ1球に使う体力を減らしていきたい」。効率的な理想の体づかいができた時、登板数はおのずと46試合を超えていくだろう。