巨人を自由契約となった村田修一内野手(37)が、独立リーグ経由でのNPB復帰を思い描いた。24日、神奈川・厚木市内で約3週間続けてきた日本ハム実松との自主トレを打ち上げた。現時点で日本野球機構(NPB)の球団からのオファーはなく「続けるなら独立リーグで選択できれば」と方向性を示した。最終決断には至っていないが、メジャーの春季キャンプに招待選手として参加する打診を断るなど、独立リーグから国内最高峰の舞台に戻る決意を固めつつある。

 村田は気の置けない仲間と雪の残るグラウンドで白球を追った。同学年の実松に、この日は1歳下の巨人脇谷も加わった。旧友たちは2月1日のキャンプインを目前に控えるため“1次自主トレ”は打ち上げとなる。村田自身の進路選択も次の段階が迫ってきた。

 村田 (現役を)続けるなら独立リーグを選択できればと考えている。1月中に(NPB球団から)電話が鳴り、テストという話があれば準備していたが、それがないならば次のステップに進む状況かなと思う。独立リーグはいろんなところから話が届いて、判断している最中です。

 独立リーグからは複数のオファーを受けている。同リーグ行きを決断する場合、球団を選択するポイントは明確にある。(1)NPB球団からオファーが来れば退団できること(2)NPBの支配下登録期限の7月末までの限定所属を容認してくれること(3)家族も理解を示してくれる球団であること(4)地域貢献ができること。「今月中に話ができればと思うが、迷いもある」と、すべての要素をテーブルに乗せて思考を巡らせている。

 耐え忍ぶ時間を過ごす中で、米メジャーの春季キャンプに招待選手として参加する打診も受けた。「メジャーが夢なら受けたかもしれない。でもNPBでプレーしたい」。思いに一点の曇りもなかった。

 自由契約となって約3カ月。周囲も村田自身も、ここまで去就決着が長期化するとは想像していなかった。「初めての経験だけど、それもまた人生。セカンドキャリアに進む中ではプラスになると思う。今年1年終わった時に苦労して良かった、と言えるように」と運命を受け入れている。

 「自分を必要と決断してくれる球団に行きたい。でもないなら、そこ(独立リーグ)が最後になる」。球春到来を告げるキャンプインまで、あと1週間。村田は裏街道を歩もうとしている。7月末までにNPBからオファーがなければ身を引く覚悟は固めている。今は希望を信じて“逆転の一発”を狙う。

 ◆独立リーグ 14年に設立された日本独立リーグ野球機構(IPBL)に所属するリーグは、四国アイランドリーグplusとルートインBCリーグの2つ。四国は05年創設で4球団。BCは07年に4球団で発足し、現在は10球団。またIPBLに所属していないが、関西を拠点とするベースボール・ファースト・リーグ(BFL)が13年に発足している。