阪神の新主砲、ウィリン・ロサリオ外野手(28=韓国・ハンファ)が11日、衝撃の対外試合デビューを飾った。今季初の練習試合となるDeNA戦に「4番・DH」で先発出場。初回2死一塁で飯塚の初球140キロ直球を弾丸ライナーで左中間スタンドにたたき込み、3回2死一、二塁の第2打席も飯塚の初球140キロ直球を中前適時打。2球で3打点を稼ぎ、今季1勝へ阪神を導いた。

 「初球からどんどんいこうと思っていたので、とてもいい感じで今日は打てたかなと思います。シーズンに向けて、いい形ができてきているのじゃないかな」。昨季のクライマックスシリーズで苦杯をなめた相手を下す大暴れだ。

 相手の探りを見事にはね返した。対戦前にDeNAが見ていたロサリオの好打の打撃映像は、大半が変化球を打ったもの。ならば直球への対応力を探ろうと、DeNAベンチはあえてバッテリーに2打席続けて直球勝負を挑んできた。初打席は甘く入ってきた球をファーストスイングで仕留め、先制2ラン。第2打席は飯塚が狙い通りの内角高めに投げてきたが、詰まりながらも中堅に運んだ。

 金本監督も「積極性があって、ひと振りで仕留める。集中力とか、ネクストサークルでの準備とかできているんでしょう」と、笑いが止まらない。4番がけん引しての完勝。「自分のバッティングをきっかけにいろんな打者が点を取ってくれて、チームに貢献できたのがいい」とロサリオ。チームに勇気、活気をもたらす4番。こんな主砲を待っていた。【堀まどか】