ゴジラの教えを受け、成長した姿を見せた。巨人小林誠司捕手(28)が12日、宮崎キャンプ第3クール2日目に行われた紅白戦に「3番捕手」で出場。左右へ2本の二塁打を放つなど5打数2安打3打点と、力強い打撃をアピールした。この日が指導最終日となる松井秀喜臨時コーチ(43)の目の前で、結果を出した。2年連続打率最下位からの脱却へ、昨年からの積み重ねを結果につなげていく。

 変化の兆しを示した。小林の第2打席。3回無死、高橋監督と松井臨時コーチらが見つめる中、新助っ人ヤングマンの外角143キロ直球をはじき返した。ライナーの打球は右翼線を襲う二塁打。7回1死一、二塁では成瀬の120キロの変化球を引っ張り、左翼線への2点適時二塁打となった。この日は2安打3打点の大活躍。昨年のWBCのように結果を残したが「まだまだです。振り込んでいかないと」と気を引き締めた。

 実戦2試合で打率5割。ゴジラ塾に参加後、成績が伸びている。6日に打撃フォームについて個別指導を受けた。すり足気味の打ち方に変えると9日の紅白戦では3打数2安打2打点。変化球にも外国人の速球にも対応できる間の取り方を覚え、力強さも出た。教え子の活躍に松井臨時コーチは「練習ではすごくよくなっている。試合の中で、自分の中で継続していい形でシーズンにつなげてほしい」と期待を込めた。

 正捕手への答えは結果で示す。昨季は規定打席到達者で両リーグ最低の打率2割6厘。守備力だけでは生き残れない危機感を持ち、昨秋キャンプでは1日1500スイング以上、今キャンプは午前8時半ごろからの早出特打から、最後は午後7時に出る最終のバスまでウエートトレーニング。約11時間、誰よりも練習している。「まだ僕はそれだけの選手。だからやらないといけないんです」と行動から成績につなげないといけないと自覚している。

 この日は同じ捕手の田中貴も4安打だったが、高橋監督は「小林も打ったからね。2本打っている」と印象づけた。正捕手をつかむため、周囲の見方を変えるため。小林が変わる。【島根純】