復帰へ向けた号砲だ。広島鈴木が12日、今キャンプ初めてランチ特打を行い、大瀬良、九里、岡田の3投手と対戦した。岡田との対戦では、2球目を豪快にフルスイング。左翼フェンス後方の芝生に運んだ。3投手と計30球、15スイングで安打性は3本。柵越えも1発だけだったが、大きな前進だ。

 「生きた球」を見たのは、右足首を負傷した8月23日、DeNA戦(横浜)の2回の打席(結果は右飛)以来だった。ブランクを感じさせない豪快弾に、緒方監督も「順調に来ているね」と喜んだ。ただ、本人は好結果にも冷静。「結果というよりも半年ぶりに(投手を相手に)打席に立てたことが良かった。思ったよりも寒いので(回復具合は)行ったり来たり」。記録的な寒波の影響を受け、キャンプ地の宮崎・日南市も寒い日が続く。右足首のリハビリは一進一退。それでも、守備練習や走塁練習、スライディングなど、練習メニューも増えてきた。

 実戦が増える沖縄2次キャンプを前に「生きた球」を見ることができ、結果が出たことは明るい兆しだ。「沖縄に行けば暖かくなるのでもう少し実戦の動きも増えてくると思う」。若き主砲が復帰へ向けて加速する。【前原淳】