大山は真弓の再来!? 日刊スポーツ評論家の真弓明信氏(64)が13日、阪神の沖縄・宜野座キャンプをチェックし、大山悠輔内野手(23)の1番起用を提言した。今年一番進化を感じる日本人選手に挙げ、3割20本塁打に太鼓判。絶好調の4番ウィリン・ロサリオ内野手(28=韓国・ハンファ)を生かす意味でも、高い出塁率と1発が望める大山1番を推した。85年の球団初の日本一は真弓氏が超攻撃型1番を務めてけん引。大山が“平成のダイナマイト打線”の象徴となるか。【取材・構成=松井清員】

 松井清員デスク キャンプもこの日で第3クールが終わり、折り返しです。前半で一番目立った選手は?

 真弓明信氏 もちろんロサリオでしょう。これだけキャンプ序盤から打ちまくった外国人もいないと思うけど、何より打ち損じがほとんどない。選球眼、ボール球の見逃し方がいい。悪いところ、心配なところを探しているけど今のところ見当たらない。この調子でいったら3割30本塁打100打点はいくんじゃない?

 松井 バックスクリーンの時計にブチ当てたのには驚きました。では日本人で一番成長を感じるのは?

 真弓氏 大山だね。打撃がものすごく安定して良くなった。パンチ力が特長だったけど、確実性が出てきて実戦でも状況に応じた打撃をしている。この打撃ならかなり成績を残せる。3割20本塁打が期待できる。

 松井 ロサリオもすごいけど大山の進化も“大きな補強”というわけですね。この日の桑原相手のフリー打撃でも、真っすぐをしっかりはじき返していました。一番進化したポイントは?

 真弓 さらにパワーアップした上で、タイミングの取り方がうまくなった。だから真っすぐも変化球も、内角も外角もさばける。実戦でも完全にやられたという打席はほとんどないし、凡打の内容がいいでしょ?

 松井 金本監督も成長を高く評価して、スタメン三塁で使う方針のようです。長打があるので打順は5、6番がベストでしょうか。

 真弓氏 いや、1番の方が面白いんじゃない? 打率が期待できるわけだから。好不調の波があったり、不得意な投手がいるような打撃をしていないからね。

 松井 でもそれほど足は速くないと思います。1番のタイプではないのでは?

 真弓氏 もちろん理想は赤星みたいに走れる1番でしょう。でも今年4番にロサリオがいるじゃない。1、2番で足や小技をからめてチャンスを作って、3、4番でかえす手法を取らなくてもいい。つまり、4番の前に塁に出ていてくれさえすればいい。2死一塁でも長打での得点が期待できるんだから。となると出塁率の高い選手を1~3番に並べるのがベストになる。もちろん大山にはよーいドンで本塁打も期待できる。

 松井 そういえば、85年の日本一も真弓さんが超攻撃型1番を務めました。打率3割2分2厘、84打点、34本塁打は中軸級の好成績。でも盗塁は8個でした。

 真弓氏 走らなくてもよかったからね(笑い)。後ろに掛布、バース、岡田がいて、1発長打でかえしてくれる。だから塁に出ることを最優先で考えていた。

 松井 85年の真弓さんの出塁率は驚異の3割9分2厘で、108得点はリーグトップでした。この日のランチ特打では糸井、福留、鳥谷が柵越えを連発するなど主力3人も絶好調だし、打線が厚みを増す今年は85年型のオーダーが組めるわけですね。打順はズバリ?

 真弓氏 1番大山、2番は遊撃で西岡か糸原、3番糸井、4番ロサリオ、5番福留、6番鳥谷、7番中谷、8番は捕手で梅野か坂本。この並びでこられたら、相手は相当怖いと思うよ。