聖地でティーン旋風を巻き起こした。DeNAドラフト5位桜井周斗投手(18=日大三)が7日、阪神戦で登板した。舞台はセンバツ以来1年ぶりの甲子園だった。「懐かしい部分と阪神ファンもいて(高校時代とは)違ったアウェーの雰囲気もあった」。6回、リリーフカーに乗りながら、冷静に甲子園を見渡した。

 先頭は左の糸原。追い込んでから4球目、内角低めに宝刀のスライダーで空振り三振に仕留めた。ラミレス監督が「1軍レベルのスライダー。左打者に効果的」と評する切れ味は、プロのバットにも空を切らせる。2番上本は遊ゴロ。侍ジャパン大山は、外角低めに制球された直球で見逃し三振。パーフェクト投球で抑えた。前日、19歳・京山の5回無失点投球に続いて、10代投手が躍動した。

 巨人戦(2月24日)から2戦連続無安打で1軍をたぐり寄せようとしている。首脳陣は残りのオープン戦の帯同を前向きに検討。高卒ルーキーながら即戦力の評価で、2軍で登板するよりも1軍で左の中継ぎ起用する「英才教育」を施す。同監督は「次は2試合連続で投げられるか興味がある。左の大打者との対戦を見てみたい」と希望。直近では因縁の清宮との対戦があるかもしれない。

 10日、11日に日本ハムとオープン戦(鎌ケ谷)を予定。今遠征は、日本ハムと同じ神戸市内の宿舎で、清宮とニアミスだったが、対戦が実現すれば5連続奪三振に仕留めた秋季東京大会以来1年半ぶり。再び注目を集める18歳はそれでも「僕は1軍というより、実力を伸ばす立場。ひと回りもふた回りも実力をつけたい気持ち」。しっかりと地に足をつけている。【栗田成芳】